タブレット学習は脳に悪影響がある?デジタル機器の影響を解説
文部科学省が提唱した「GIGAスクール構想」により、小中学校では現在、1人に1台タブレットやノートPCが配布され、デジタル教育が本格的にスタートしています。
また、通信教育大手はほぼ全社が家庭向けのタブレット学習を提供しており、デジタル機器は子供たちの学習ツールとしても身近な存在になっていると言えるでしょう。
その一方で、タブレットやスマートフォンなどのデジタル端末を使うことによる弊害を心配する声も聞かれます。
タブレットやスマートフォンが人体に及ぼす影響については、現在、様々な角度から研究が進められており、記憶の定着度合いや脳の発達において注意すべき点があることがわかってきました。
そこで今回は「タブレット学習の脳への影響」をテーマに、デジタル端末が脳に及ぼす悪影響とそれを防ぐ方法、デジタル端末の安全性に配慮したタブレット学習教材について解説します。
脳への影響以外のタブレット学習のデメリットを知りたい方や、タブレット学習のメリットとデメリットを比較した上で検討したい方は、下記の記事もあわせてチェック。
目次
タブレット学習などのデジタルデバイスが脳に与える影響は?
タブレット学習教材をはじめとしたデジタルデバイスの脳に与える影響を調査した研究によると、スマートフォンやタブレットを使用した学習は、紙の辞書で言葉を調べた場合や学習内容をノートに手書きした場合と比較すると、記憶の定着率が低いという結果が出ています。※1
たとえば、スマホと紙の辞書を使って言葉の意味を調べる実験では、紙の辞書を引いた場合に脳(前頭前野)の活動が活発になるのに対し、スマホで調べた場合はほとんど脳の活動が見られず、調べた言葉の意味も記憶に残らないことがわかっています。
これは、スマホが知りたい言葉を打ち込むだけですぐに正解に到達してしまえるためで、苦労なく答えにたどり着けることで、脳を働かせる必要がないことが理由と見られています。
※1)「知らない言葉をスマホで調べてはいけない」平成生まれの脳科学者が小中学生1人1端末時代に訴えたいこと - 記事詳細|Infoseekニュース
また、別の研究ではインターネットを毎日利用する子供の脳に発達の遅れがあることが明らかになりました。
これは、大量の情報にさらされることで脳に継続的な炎症(疲労)が起こり、睡眠で十分に回復できずに蓄積していくことが原因ではないかと言われています。
デジタルデバイスから放出されるブルーライトが睡眠の質を低下させ、脳の回復を阻害する可能性も示唆されており、さらなる研究に注目が集まっています。※2
※2)脳科学者が警告「学校の一人一台端末導入で、日本の子どもはバカになる」 勉強にICTを使うのは逆効果 (3ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
脳への悪影響を避けるために注意したいタブレット学習の機能とは
このような研究結果を踏まえてタブレット学習教材の使い方を再考すると、タブレット学習には主に以下のような注意点があることがわかります。
タブレット学習の注意点
選択問題や途中式の記述が不要な問題など脳に負荷をかけずに解ける問題が多い
タブレット学習は効率よく問題を出して学習理解度をチェックする都合上、選択問題が多くなりがちです。
知識の定着を手早くチェックする上で選択問題は有効ですが、「計算などの途中経過がわからない」「正解した(間違えた)理由が自分でもわからない」「選択肢から適当に答えを選んでしまう」といった弊害も起こり得ます。
選択問題のデメリットを減らすためには、出題と一緒に「ヒント」や「解説」によるフォローを用意しているタブレット学習がおすすめ。子供自身が「なぜその答えになるか」を確認しながら取り組めるようにしましょう。
手書き学習や読解問題など脳の活動を促す問題が少ない
漢字や英単語の書き取りのように何度も手で書くことで記憶を定着させる学習方法は、タブレット学習の苦手分野と言えます。
デジタルペンを使って書き取り問題に取り組めるタブレット学習を選ぶのも一つの方法ですが、反復学習に力を入れたい場合は、紙のドリルやテキストの併用を検討してみましょう。
なお、国語の読解問題や算数(数学)の文章題は、多くのタブレット学習でも出題されます。ただし、特に読解力を強化したい場合は、これらの問題を解くことに加えて、紙の本を使った読書(特に音読)がおすすめです。
液晶画面から放出されるブルーライトが睡眠に影響する可能性がある
タブレットの液晶画面から放出されるブルーライトは、脳を覚醒させて寝付きを悪くする働きがあります。
ブルーライトの脳への影響を防ぐには、タブレットのブルーライトカット機能を使うか、市販のブルーライトカットフィルムを活用すると良いでしょう。
また、睡眠の質を高めるために、就寝前の一時間はタブレット学習やスマートフォンの利用を避けることをおすすめします。
脳への悪影響を抑えるタブレット学習との付き合い方
タブレット学習の脳への悪影響を避け、学習に活かしていくために、以下のようなポイントを心がけましょう。
タブレット学習の脳への影響を軽減する使い方
長時間の使用を避け、睡眠をしっかり取る
デジタル機器を長時間使用することで人間の眼や脳は疲労しやすくなります。
タブレット学習は、1講座あたりの時間が5~15分程度に抑えられているものが多いため、「1日3講座(約30分間)」のように学習時間を決め、眼精疲労や脳への影響を軽減するのがおすすめです。
また、タブレット学習の中には、端末設定で1日の使用時間を制限できるものもあります。
手書きとのハイブリット学習を意識する
手書きの学習と合わせてタブレット学習を活用していく考え方も大切です。学校の授業や課題が紙ベースであれば、タブレット学習を予習や復習に活用すると、理解度チェックや暗記物の反復学習などを効率よく行えるのでおすすめ。
学校の授業がデジタルベース(デジタル教科書を使用し、テキストファイルにまとめる等)の場合は、別途、紙の「まとめノート」を作り、学習した内容を手書きで整理すると良いでしょう。
ゲームなど勉強に無関係なアプリの利用を制限する
タブレット学習は、勉強後のごほうびとしてゲーム等をプレイできるものが少なくありません。
しかし、子供が勉強よりもゲームのほうに夢中になってしまう場合は、インストールできるアプリの種類やゲーム時間を制限するなど、子供と話し合いルールを決める必要があります。
「ながら学習」を避ける
タブレット学習は、音声や動画を使って学習内容を解説し、ゲーム感覚で課題に取り組める点が大きな特徴です。
子供の勉強へのハードルを下げられる一方で、テレビや動画を見ながら、音楽を聴きながらといった「ながら学習」に陥りやすいデメリットもあります。
ながら学習は脳への雑音が増え、学習効果が大幅に下がるため、勉強する際はテレビや音楽を消すことを徹底しましょう。
対面でのコミュニケーション機会を設ける
相手の顔を見ながら直接言葉をかわすことは、脳を活性化させる上で有効です。
タブレット学習にはメールやチャットで保護者とコミュニケーションできる機能を持つものも少なくありませんが、外出などの理由がない場合は、学習について保護者が直接成果をほめたり、わからない部分を一緒に考えたりと、対面でのコミュニケーションを意識してみましょう。
時間制限機能が付いた専用タブレット端末を使用するタブレット学習教材
タブレット学習教材の中には、専用端末に時間制限機能やアラーム機能を備えることでタブレットの使いすぎを防げるものがあります。
ここでは、子供の視力や脳への悪影響を避けるよう工夫されたタブレット学習教材をご紹介します。
出典:進研ゼミ小学講座 公式サイト
チャレンジタッチは、通信教育大手の進研ゼミが提供するタブレット学習教材です。専用のタブレット端末「チャンレンジパッド」に毎月講座が配信され、毎日15分前後の学習と、月に一回の赤ペン先生の提出課題をこなすことで学校の授業の予習・復習をサポートできます。
デジタルペンを使用した書く学習に対応しているほか、紙テキストの問題集も提供しており、タブレットと紙のハイブリッド学習が可能。
チャレンジパッドには長時間の連続使用を防ぐ声かけ機能がついており、学習をスタートして一定時間が経過すると、ナビゲーションキャラクターが「目を休めよう」などのアナウンスで休憩を促します。
| 対象学年 | ⼩1〜⼩6 |
|---|---|
| 教科 |
国語/算数/理科/社会/英語/プログラミング ※小1・2は国語・算数・英語 |
| 料金(毎月払い・税込) |
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| チャレンジタッチ(チャレンジパッド)の時間制限機能 | 長時間の連続使用を避けるため、ナビゲーションキャラが一定時間ごとに「目を休めよう」などの注意を促す ※タブレットの設定で「ブルーライト設定」「明るさ調整」が可能 |
出典:スマイルゼミ 公式サイト
スマイルゼミは、日本語ソフト「ATOK」や学校向けの学習支援ソフトを開発するジャストシステムが提供するタブレット学習教材です。子供の小学校名や使用教科書を登録すると、教科書に準拠した内容の講座が専用のタブレット端末に毎月配信されます。
専用のデジタルペンを利用した書く学習に対応しているほか、タブレット上で漢字ドリルや計算ドリルを提供していますが、紙テキストの配布はなく、タブレット1台で学習が完結する点が特徴。
タブレットの長時間使用やゲームアプリ(スターアプリ)の使いすぎを防ぐ工夫として、保護者向けのスマートフォンアプリ「みまもるアプリ」から、学習時間・タブレット操作時間・スターアプリのそれぞれの時間設定ができるようになっています。
| 対象学年 | ⼩1〜⼩6 |
|---|---|
| 教科 |
国語/算数/理科/社会/英語/プログラミング ※小1・2は国語・算数・英語・プログラミング |
| 料金(毎月払い・税込)※標準クラスの場合 |
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| スマイルゼミの時間制限機能 | 保護者用の「みまもるアプリ」で、学習時間、タブレット操作時間、ゲーム(スターアプリ)の使用時間をそれぞれ設定可能。勉強開始時間にアラームも設定できる |
オンライン授業+紙学習ができるタブレット学習教材
従来の紙ベースの学習は、テキスト管理や手書きによる学習効果アップなど、様々なメリットがあります。対してオンライン授業には、学習する時間や場所にとらわれない点や解説に動画をフル活用できる点等、紙では難しいメリットがあるのも事実です。
どちらも捨てがたいという方は、従来の紙ベースの学習とオンライン学習を組み合わせ、ハイブリッドな学習スタイルを採用した学習教材を活用するのも選択肢の1つです。
出典:スタディサプリ小学講座 公式サイト
スタディサプリは、リクルートが提供するオンライン学習サービスです。パソコン、スマートフォン、タブレットなどの端末で、小学生向けの授業動画を配信しており、時間と場所を問わず学習に取り組めます。また動画に連動したテキストをPDF形式で配布しており、印刷できるので、紙の教材として活用することも可能です。
料金は月額料金2,178円(税込)で、小学校の各レベルに応じた授業動画が視聴し放題。授業動画は、一流講師陣による質の高い授業が特徴で、苦手な単元を繰り返し学習したり、先取り学習を進めたりすることができます。
その他にもスタディサプリには、学習の進捗状況を可視化する機能があり、生徒自身が自分のペースで計画を立て、学習に取り組むことができます。また、保護者向けの機能も充実しており、生徒の学習状況や進捗度を把握することも可能です。
| 対象学年 | ⼩1〜⼩6、中学受験対策 |
|---|---|
| 教科 |
国語/算数/理科/社会 ※小1・2は国語・算数 |
| 料金(毎月払い・税込) | 学年問わず円 ※12か月一括払いの場合は月あたり円 |
| スタディサプリの特徴 |
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